2022年03月12日

戦争と横浜

サンプル本が実家に届いて、母が狂喜乱舞してました。
電話越しだけど、まさに狂喜乱舞。
でも、その心境はわかる。
それと同時に追加の原稿が届いてポチポチと打ってますが、母の願いは、その本を姉弟に渡す事。
今まで書いた新聞投稿などに、昔の思い出なんかを新たに書き足しているから。
で、その原稿の中に、母の母(私から見て母方の祖母)の新聞投稿の記事があったので、黄色く変色してすり切れていたけど、なんとか解読しました。
いくつかあるなかで、ひとつ。
こんな世の中だから。今は亡きおばあちゃんが見てきた事。



「行ってきます」と元気に出て行った若者が港を出るとすぐ敵の潜水艦にやられ、泳いできたという。
 当時、主人は日本郵便会社の外国航路の船員。やっと手に入れたマイホームは伊勢佐木町に近い花街の待合だった。家が大きかったため、私は船員専用の下宿と間貸しを始めた。船がドック入りの間は二階の広間は若者でにぎわった。
 私は五人の子供に恵まれ、平和で楽しかった。しかし、あの忌まわしい戦争のためにすべてが大きく変わった。主人の船は撤用船に変わり、二度と帰らぬ若者もいた。彼らの荷物置き場には引き取り手のいない荷物がほこりにまみれていた。
 戦争が激しくなるにつれ、二人の子供を田舎に疎開させ、家の中は風がびゅうびゅうと吹き抜けるような寂しさだった。隣の空地と床下に防空ごうを掘り、警報のたびに避難した。歌も踊りも軍事調となり、それもやがて学徒動員の宿泊所になってしまった。
 外では何を売っているのか分からない行列に人々は先を争って駆けて行き、何回も列に加わった。ますます空襲は激しくなり、ついに私たちも疎開せざるを得なくなった。平和になってからの再会を約し別れたが。
 いつも私の家を常宿としておられたボースンのKさん、また他のみなさんはどうしておられるだろう。懐かしい第二の故郷・横浜のことをしきりに思い出す今日このごろである。
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2022年03月05日

読書会

むかーしむかし。
私が高校生だったころのことじゃ。

って、昔話風に言っても何なんですけど、高校時代、3年間図書委員だったんです(半年だけ反抗して風紀委員)
図書委員長が友人だったんで、ほぼなし崩しで図書委員やってたんですけど、委員活動で「読書会」ってのが伝統だったんです。
一冊の本の疑問点を2時間議論する。はい、それだけ。
いや、でも「若きウェルテルの悩み(ゲーテ)」と「友情(武者小路実篤)」が続いたときは、さすがに「正解」はどっちなのだろうと思ったけど。
で、今。
19歳時の母が書いた詩が読書会のようで、深く心理を読みたいような、身内のことなんで読みたくないような。
正解は書いた本人の母に聞くしかないけれど、かれこれ60年前の19歳。
アラフィフの私から見ても、19歳ってのは大人と子供がミックスされたような微妙な年代ってのはわかるし、当時は中卒と共に集団就職したような時代だから、今の19歳とはまた違った19歳だなと想像はつく。

母に聞くことは、たぶんないけれど、文章って難しい。
伝えたいけど、全て伝えたくない。
でも、心が爆発しそうなこの心境を、誰でもいいからわかってほしい。
母の詩から、詳細はわからないけれど、そんな印象を受けた。
posted by りか at 21:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年03月04日

花盗賊、その後

午前中に、中央図書館に行ってきました。
図書カードの更新も忘れてたしね。
で、1階のカウンターで更新後、3階カウンターであらかじめ印刷していた国立国会図書館のページを見せると、専用の多機能オムリスに案内していただき、職員さんが国会図書館にアクセスして、そこで見ることができました。
複写も申し込めばOK(もちろん申し込んだ)
「国立国会図書館デジタル化資料送信サービス」というそうです。
ちなみに今回のように限定公開されていないものは、「国立国会図書館デジタルコレクション」で読むことができます。
「こんなサービスがあるとは知らなかったです。60年も前の文芸誌が読めるとは思いませんでした」
「25年前にこの仕事についたときは、なかったですよ。国会図書館様々です」
と、ちょっと嬉しそうに職員さんが笑ってました。

そしてそしてコピーしてもらった花盗賊。
家に持ち帰ってじっくり読もうと思ったんですけど、ローガンには優しくない文字サイズなので(縮小されている)、いったんスキャナで取り込んでから拡大して読もうかなと。
1部20円ってのはわかった。当時の物価がわからないけど。
でもって、全て手書き。
同じ筆跡だから、たぶん各地から送られてきたお話を、どなたかお一人で纏められたものだと思います。
現在ならアンソロジー?
いやいや、もうこれはノスタルジックな文芸誌だわ。

hanatouzoku.jpg
posted by りか at 13:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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